金香百合先生による基調講演では、それぞれが「対人援助者」としてどのような意識を持って帰国者の方と接してきたか、無意識に一方的な指導を行っていなかったかを再度考えさせられました。
また、人が人と接するにはまず「セルフエスティーム(自尊感情)」を高くすることが大切だということも学びました。自分を見つめなおし大切にすることで、相手のことを大切に思うことができ、相手の心を開くことができるようになるという金先生の言葉が印象的でした。
当事者報告では2名の帰国者1世の方が、日本に帰国するまでの中国での生活や、帰国後どのように日本の社会の中で定着・自立してきたかをお話いただきました。お一人は仕事をするうえで必要不可欠なことばから習得していき、もうお一人は、夜間中学から進学し専門的な資格をとられました。仕事場や学校で積極的に会話をすることで滑らかな日本語を話せるようになられたそうです。それまでのご苦労や継続的な努力などがあってこその賜物だと感じました。向学心の強さや、地域に溶け込もうとする高い意識を持つことの可能性を見出すことができました。
質疑応答も活発にされ、地域における中国帰国者支援の今後の指導方針や展望などについて各方面からの意見交換がなされました。 |
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