■三重県開催 [ 2004年10月11日
]
T.日時と場所等
○ テーマ: |
これからの帰国者支援を考える |
○ 日 時: |
2004年10月11日(月) 13:00〜17:00 |
○ 場 所: |
三重県 名張市 名張公民館 |
○ 主 催: |
近畿中国帰国者支援・交流センター |
○ 協 力: |
三重県健康福祉部 生活保障室 |
○ 参加者: |
44名 |
三重県名張市は大阪市のベッドタウンとして大阪とつながりが深い地域です。今回、名張市においてボランティア研修会を開催するきっかけとなったのは、近畿センターを通しての「なばり 赤目梅の会」による帰国者への「梅収穫体験」の場の提供でした。「なばり 赤目梅の会」は名張市内の梅林再生を活動目的とした会であり、その活動の一環として帰国者を受け入れてくださいました。このように帰国者とのつながりを持ったことをきっかけとし、より深く帰国者を理解したいとの申し出があり、「なばり 赤目梅の会」を中心とした呼びかけのもと、三重県でボランティア研修会を開催することとなりました。研修会当日は、「なばい 赤目梅の会」を始め、今までに帰国者と関わりのなかった人々や、国際交流を目的とした地元のNPOなどがご参加くださいました。このように帰国者とつながる新しい支援の輪が広がったことが、今回のボランティア研修会の大きな成果でした。
U.研修会内容
- 帰国者の現状と援護施策の報告
佐藤陽子(厚生労働省社会・援護局援護企画課中国孤児等対策室支援対策係長)
- 近畿中国帰国者支援・交流センター活動報告
清島千春(近畿中国帰国者支援・交流センター 専任講師)
- 基調講演
テーマ:「多文化をふまえたかかわりあい、支え合い〜中国帰国者の現状をふまえて〜」
講 師:金香百合(ホリスティック教育実践研究所[HEAL]代表)
- 事例報告
(1)帰国者を受け入れて −名張での取り組みから−
報告者 福本毅(なばり・赤目梅の会 梅林オーナー)
(2)当事者の体験を聴く
報告者 近畿中国帰国者支援・交流センター 受講生 3名
インタビュアー 清島千春(近畿中国帰国者支援・交流センター専任講師)
基調講演では、すべての人間(子ども)がいきいきと生きる多文化共生社会を作るために、
また、それを支える支援者として何が必要なのかが話されました。
物事を「細分化」してとらえるのではなく、慣れ親しんだ環境を離れた「喪失感」や「自尊感情の低迷」
など帰国者の抱える背景に考慮し、「ホリステック(統合的、包括的、全体的)」に支援する重要性について理解を深めました。
また、ワークショップ(参加体験型学習)が行われ、支援者として必要な「聴く」という事を意識した
「つながり」「かかわり」を参加者は体験しました。
その後、実際に帰国者とかかわりを持った「梅の会」と、当事者である帰国者自身の話に
耳を傾けました。
異文化の中で生活を始めるということは大変なことではあるけれども、人間はどんな困難な状況にあっても人の支えがあれば夢や希望がもてるということが、帰国者のお話からわかりました。
最後に、基調講演をしていただいた金講師は「地域において支えてくれる人たちがいれば
帰国者の方は安心して生活が送れる。また、居住する地域にとどまらず、更に大きなつながりの中で、
往き来し認め合いながら交流する関係が必要である」と話されました。
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