各地でのボランティア研修会の開催/山梨県開催

■山梨県 [ 2006年11月14日 ]
1. 日時と場所等
○ テーマ: これからの中国帰国者支援を考える
○ 日 時: 2006年11月14日(火) 11:00〜15:00
○ 場 所: 山梨県ボランティア・NPOセンター
○ 主 催: 首都圏中国帰国者支援・交流センター
○ 参加者: 40名

2. 研修内容

1.センター事業報告:

・報告者: 小林 佑一郎 
・要 旨: @帰国者の現状(高齢化とともに深まる孤立化)
A支援・交流センターにおける主な支援事業
(日本語学習事業/高齢帰国者向け日本語教室事業/友愛事業)
B期待されるサポートの在り方
(地域の市民やボランティアによる支援/家族による支援)

2. 基調講演:  

・テーマ: 「多文化を受容するこころ―中国帰国者との交流を考える−」
・講師:  太田 敬雄(日本比較文化学会、国際比較文化研究所)
・要旨: 以下
 導入部 自身のアメリカ生活から日本に帰国した当時の異邦人としての感覚を浦島太郎に例え、帰国者の戸惑いや不安に共感を示す。
 帰国者に対して
  日本社会に適応しようとするあまり、自文化を押し殺したり、相手文化を急速に身につけようとすることの問題点、「こうもり」の物語りのように鳥にもねずみにも受け入れられない存在のおろかさ、アイデンティティを失わないための心の持ち方
 支援者に対して
人が他者との間に無意識に置く距離について日本人、中国人、アメリカ人の場合の違いなど異文化間での小さな違いを複数挙げ、人間関係では大きな違いよりも、意外にも「小さな違い」への拒否感が影響することを示すとともに小さな違いへの理解を求めた。
また外観が同じアジア人であるため違うのに違わないと思ってしまうことの問題点。帰国者にとって異文化を感じた時「文化の壁」は「音速」の壁」ほども強く感じられるものであることの理解を求めた。
最後に中国帰国者との交流を進めていく上で心に留めておくべきガイドラインが示された。
  
3.懇談会: 
・2つのグループに分かれて、Aグループは山梨県日中平和友好会会員による「高齢帰国者向け日本語教室事業」受け入れを検討する専門部会、Bグループは帰国者支援のために各ボランティアグループ間の連携を模索する第一歩として、団体の活動紹介を中心に行った。


3. 事後アンケートから抜粋

・基調講演の内容は、自分にとって、とてもよかったと思います。私は帰国者二世の妻です。日本に来てもう13年になりました。このような講演会に参加するのは初めてです。太田先生は帰国者達の気持ちや経験、苦労、習慣をよく理解して、まるで自分の事のように話してくれて、心から感動しました。先生の気持ちはちゃんと伝わったと思います。

・太田先生ご自身の体験をお話ししながらのすばらしいお話に唯唯ウンウンと頷く事しか出来なかった私。私が会社勤めをしていた頃は異文化交流を盛んに開き、私も何度も出席したことを思い出しました。それと同じで、自分だけの主張を通すのではなく、相手の色々な面を思いやる敬意の念と同時に心にゆとりを持つことが大切だと痛感させられました。頭では分っている様でも、いざその時になるとなかなか行動、言動が伴いません。新鮮なお話を聞き、もっともっと自分を磨いて行かなければと思いました。ありがとうございました。

・異文化を持つ人々が、それぞれの文化を尊敬し、その文化を大切にして交流することが、帰国者と対等に接していく原点ではないだろうか、新しい認識を得た。

・ (多文化を受容するこころ)太田敏雄先生のお話、本当にいい勉強になりました。本当言えば中国の文化とか余り関心なかったけれど、中国の文化と日本の文化の良いところを認識することが、豊かな人生、これからもいけると信じて行きたいと思っています。

・ 昼食後の居眠りがしたくなる時間であったにもかかわらず、誰にでもわかりやすく様々な事例を豊富に引き出して語ってくれました。時の経つのが惜しいようでした。

・ 太田先生のお話は楽しく情緒豊かなお話し振りに、ついほろりとした程でした。

・ 私達は通院ボランティアなので、その範囲でしか活動しておりません。以前は他の通院ボランティアの方達も何度か交流もしましたたが、現在はしておりません。同じ日本人、同県人でありながら、やはり患者様が相手なので、自分ではすごく心配りをしているつもりですが、それが空回りのような時もあります。それは太田先生がお話された考え方の歩幅が違うのではないかと反省させられました。ボランティアをさせていただくようになって12年目になりますが、まだまだ勉強の連続ですね。私達は初めて出席させていただいて、皆様の努力に敬服しております。中国帰国者支援ボランティアボランティア研修会も今日初めて知りました。今私達に何が出来るかは分かりませんが、小さなことでも出来ることがあったらお声をかけてください。会で検討し、前向きに対処できたらと思っております。




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