基調講演
テーマ:「中国等からの帰国状況について」
講 師:小林 悦夫
(中国帰国者定着促進センター教務課長兼中国帰国者支援・交流センター教務顧問)
【基調講演の要旨】
帰国者1世が帰国したときの年齢が高く、高齢期に言葉や生活習慣を覚えるのは非常に難しい。しかも外国語を勉強したり、一般的な教育を受けること機会が少なかったという歴史的背景がある。そういうハンディを背負っている。
定住化の人々の言語、文化の学習とは一種の生涯学習であり、ライフステージが変わるとニーズも変わる。こういうニーズには初期集中形式では対応しきれず、生涯学習をカバーするような支援体制が必要となってくる。(中長期支援の中核として支援・交流センターが開設)。
経済的な自立に限らず、地域での交流を保ちながら社会の一員として生活するという意味での社会的・精神的自立をはかれるような支援をするべきである。
また、就労可能な二・三世については、自身の社会的、経済的自立を実現すると共に、まずは精神的に、可能な限り経済的にも帰国者本人の世帯の支えとなる役割を期待する。このため、これらの人々や就労可能な年齢層の中国帰国者に対しては、可能な限り就労が実現できるように施策を講じるべきである。
実現可能な目標を掲げ、行動計画を作る。地域内の様々な分野、地域間、国を含めたトータルな部分での支援の連携を作り、問題に取り組まねばならない。そういうプロセスが大事であり、始めることによっていろいろなことが見えてくるのである。