各地でのボランティア研修会の開催

■宮崎県 [ 2007年11月10日 ]
1. 日時と場所等
○  日   時: 2007年11月10日(土)  13:20〜16:20
○ 開催場所: 宮崎市中央公民館
○  主 催 者: 九州中国帰国者支援・交流センター
○  参 加 者: 32名

2. 研修会内容
  1. 帰国者の現状と援護施策の報告
    手嶋 勝 (厚生労働省社会・援護局援護企画課中国孤児等対策室室長補佐)
  2. 基調講演
    テーマ:「これからの中国帰国者支援を考える - 日本語学習支援と交流の視点から - 」
    講 師: 小林 悦夫 
    (中国帰国者定着促進センター教務課長兼中国帰国者支援・交流センター教務顧問)
【基調講演の要旨】
帰国者1世が帰国したときの年齢が高く、高齢期に言葉や生活習慣を覚えるのは非常に難しい。しかも外国語を勉強したり、一般的な教育を受けること機会が少なかったという歴史的背景がある。そういうハンディを背負っている。
定住化の人々の言語、文化の学習とは一種の生涯学習であり、ライフステージが変わるとニーズも変わる。こういうニーズには初期集中形式では対応しきれず、生涯学習をカバーするような支援体制が必要となってくる。
経済的な自立に限らず、地域での交流を保ちながら社会の一員として生活するという意味での社会的・精神的自立をはかれるような支援をするべきである。
また、就労可能な二・三世については、自身の社会的、経済的自立を実現すると共に、まずは精神的に、可能な限り経済的にも帰国者本人の世帯の支えとなる役割を期待する。このため、これらの人々や就労可能な年齢層の中国帰国者に対しては、可能な限り就労が実現できるように施策を講じるべきである。

実現可能な目標を掲げ、行動計画を作る。地域内の様々な分野、地域間、国を含めたトータルな部分での支援の連携を作り、問題に取り組まねばならない。そういうプロセスが大事であり、始めることによっていろいろなことが見えてくるのである。


3. 事例報告
@ 帰国者2世          鬼束  瑛子
A 自立指導員         宮本 安津
B 宮崎市日中友好協会  菊池 義男

4. 支援団体紹介
@ ラボ・ミヤザキ
A まちんなか国際交流会

参加者アンケート
  • 中国残留邦人については、新聞テレビ等のメディアを通じて関心を持っていたが、帰国後の状況についてはほとんど知ることが出来なかった。帰国者にとって「日本語」の習得が最も重要な課題であることを認識した。とても有意義な講演だった。
  • 中国帰国者の過去の状況をくわしく知ることができた。
  • これからの課題も高齢者、就労者、そしてその子供たちと多様にあることをふたたび考えさせられた。
  • 年齢によって、日本語の上達に差があるのは当然として、教える側の接し方にも注意が必要であると思った。
  • 今のボランティア活動が本当に役立っていると確信した。
  • 県内で実際に活動されている方や団体のお話が聞けて帰国者問題を身近に考えることができた。
  • 事例報告も帰国者以外のそれぞれの立場からの発表は大変参考になった。
  • 宮本さんの献身的な活動には日頃から感心させられる。彼女のような地道な日常活動があってこそ帰国者が地域社会で定着・自立していくものだと思う。
  • 帰国者たちが住みやすいコミュニティ作りの一環を担うようなサークル作り等提案できたら。
  • 中国残留邦人という言葉自体が忘れさられようとしている現在、何らかの方法で広く一般国民に継続的に知らしめる方法が必要である。一例としては、今回の事例報告を行った鬼束さんのような方の意見をマスコミを通じて定期的に報告することが考えられる。



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