中国帰国者支援・交流センターの引率で、荒川区町屋にある文唱堂印刷へ行ってきました。
この会社は70年もの歴史があり、今どきの大型工場というわけではないが、
きれいで、大変感じの良い職場という印象を受けました。
この会社では品質管理が大変優れていて、最初に1枚の版の設計をコンピューターで組版、校正し、
見本を作ります。設計した最初の見本をお客に持って行きよく審査してもらい、お客が満足したところで、
初めて次の工程に移ります。
製版の工程では、4種類の基本色で重ね塗りをする印刷製法で大変工夫されていました。
製版が完成した後も、コンピューターで精密に確認し、完璧となってから初めて正式印刷に入るのでした。
最新技術の印刷機では重ね刷りの正確さだけではなく、不良品を排除する機能までありました。
これらの一連の品質管理で、会社の信用が守られ、顧客も多く、長い歴史がある理由となっています。
この会社では全部で300名の社員がいますが、
効率的な人員配置で、きちんとした生産体制になっていました。
最も多くの人員が必要な工程は、コンピューターで設計、組版、見本を作る部門です。
この部門の担当者は、コンピューターと印刷の両方の知識が要求されます。
印刷機の操作員はそれほど多くなく、輪転機の動作を管理し、仕上がった印刷物を整理します。
印刷の最終工程での人員は比較的多く、紙の切断、積み上げ、梱包など行います。
この部門になると肉体労働が多く、細かい知識を求められることは比較的少ないです。
こうした人員配置の方法が現代の工場の特徴を現しています。
われわれを案内してくれた社長は大変熱心で、会社の福利厚生も良く、誰でも皆平等に対し、
一人一人の仕事の能力に応じて昇進があることを説明してくれました。
この会社で働きたい人は、必ず印刷の知識が必要とされ、試験を経て合格した人が入社できます。
この会社には十数名の帰国者の子女が働いており、彼らは皆試験で合格して入ってきて、能力を発揮し、
会社の上司にも評価されているそうです。
こういったことでわれわれ見学者にも大変誇らしく感じることができました。
会社の益々の発展と、社員の方々のご健康を心よりお祈りします。
2002年11月15日 |