春彼岸(ひがん)
春の彼岸の中日が「春分の日」で、祝日となっています。今年は、3月21日です。
春の彼岸は3月18日から3月24日までの一週間を昔から言い伝えられてきました。本来、お寺に毎日お参りし、お説教を聴きお経を唱えるなどをするものでしたが、最近では春分の日に、お墓参りすることが一般的な行事となっています。
「彼岸」という行事は、平安時代(794年〜)から伝えられてきたもので、紫式部が書いた源氏物語(げんじものがたり)の中に、春分の日のことを「いとよきひ」と書き、平安時代の位の高い人たちが、体を清め、いろいろな願いをする祭りの日であったとあります。
3月18日のことを彼岸入りといって、お墓の掃除、だんごやぼた餅などを作ったりして、家の仏様やお墓にお供えしました。
秋の彼岸と合わせて「寒さ暑さも彼岸まで」とよく言われます。日本の四季ははっきりしていますので、寒い冬を過ぎて春が来るのを人びとは待ちわびています。春はまた、新生活(進学、就職等)のスタートの時期であり、夢と希望が胸一杯にできる季節でもあります。
花冷(はなび)え・春一番(はるいちばん)
花冷えと言う言葉を知っていますか。
ここで言う花は「桜」のことです。寒い冬がようやく終わり、希望・門出を祝うように桜がようやく咲き始め、さあ花見でもと、いうときに突然の寒風で冬に逆戻りしたような気温が低い日を『花冷え』と言います。時には二、三日続きせっかく咲いた花弁を無情にも落としていきます。
この時期の天気用語に
「花冷え」花見の頃、寒くなる
「花ぐもり」桜の咲く頃のくもり空
「花散らしの雨」
満開をすぎると雨で散りやすい
桜が咲くころは、移動性高気圧と低気圧が交互にやってきて、天候が不安定になります。
低気圧による温暖前線が張り出して雲が広がり、気温と湿度が上がって空気がどんよりした感じになるのが『花ぐもり』。低気圧の通過後、移動性高気圧が張り出して雲が無くなり、地熱が放射されて明け方の気温が下がるときが『花冷え』となります。
春一番は、春に最初に強く吹く南風のことです。南風のため気温がどんどん上昇します。また、花粉症の方にとっては辛い季節でもあります。
このように、この時期は気温の差が大きいので体調を崩さぬよう十分注意をしましょう。 |