藍染めは、日本のほか、中国、インド、東南アジア、南米、アフリカなど世界各地で日常的に行われています。この藍染めが日本に伝来したのは飛鳥時代(6世紀末〜7世紀前半)のことで、中国大陸から朝鮮半島を経由してきたと言われています。その当時に作られたものがほとんど褪色(退色)することなく、現在まで生き生きとした藍色を保ち続けているというから驚きです。
その後、各時代を経て藍染めの技法が発展し、江戸時代には藍染めが庶民の必需品となりました。そして、藍染めを業とする紺屋(こんや・こうや)が日本各地にできました。また、江戸中期には、それまでの藍の産地であった京都洛南(現在の京都市の南の郊外)、浪速の摂津(現在の大阪府及び兵庫県の一部)に加えて、四国阿波(現在の徳島県)での藍生産が始まり、好適な自然条件と阿波藩の奨励策により、一躍阿波が全国一の藍産地となりました。
その後、藍生産は北海道、大分県を始め全国各地に広まり、明治には全盛期を誇りましたが、昭和には化学染料におされて衰退の一途をたどりました。
しかし、近年になって、静かな藍ブームが再び訪れています。
●藍染めの方法
日本の伝統的な藍染めは、以下に説明する「天然灰汁醗酵(発酵)建(てんねんあくはっこうだて)」によるものですが、「(すくも)」より安価で多量の色素を含んでいるインド藍を使用したものや「合成藍」(化学的に合成)で染められているものが広く出回っています。また、「」は使用するものの「灰汁(あく)」の代わりに化学薬品を使用する「化学建(かがくだて)」や「」と「合成藍」を混合して使用する「割建(わりだて)」というものもあります。
●天然灰汁醗酵建とは?
1、
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蓼藍(たであい)(たで科の一年草)の葉を刈り取り、天日で乾燥させる。 |
2、
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これを屋内に積み上げ、繰り返し水をかけては混ぜ合わせることにより
醗酵させ、「」を作る。 |
3、
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瓶(かめ)の中に「」、「灰汁」(木を燃やした灰を湯に溶かした上澄み液)、
「ふすま」(小麦をひいて粉にする時にできる皮のくず)、「石灰」、
「日本酒」などを加えて染液を作る。(これを「藍を建てる」という。) |
4、
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こうして出来上がったものの上澄み液の中に、染めたい布や糸などを漬けたり、
空気にさらしたりを繰り返すことにより染めていく。 |
●ここが違う!!天然灰汁醗酵建
「天然灰汁醗酵建」は、化学薬品を一切使用しないことにより醗酵菌が生き続けるため、長い年月を経ても褪色しません。また、殺菌・防虫効果があるといわれます。
これに対して、化学建などによるものは、年月が経つと褪色や変色が生じます。また、高温になると化学変化を起こしたりします。
●いろいろな模様の作り方
糸を藍で染めて様々な技法で織る方法と生地(きじ)を直接染める方法があります。
生地を染める方法には、次のようなものがあります。
1、
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絞り染め
糸などで生地を絞って皺の部分に染液が浸入しないようにして染める。 |
2、
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板締め染め
凹凸の模様を彫った複数の薄板の間に生地を固く挟んでから染める。 |
3、
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ろうけつ染め
ろうで生地に模様を描いて防染し、染色後に熱でろうを溶かし取り除く。 |
4、
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型抜き染め
生地の上に模様を彫った型紙を置き、特殊な糊をヘラで付けて
良く乾かしてから染色し、後に糊を洗い落とす。 |
【前回の柔道クイズの正解】
正解は、「4フランス」です。 |