相談実例/学習/子供の三者面談ではどのような準備をしたらよいですか。

Q. 子供(中学二年生)の三者面談がありますが、どのような内容が話されますか、また、どんな準備をしておいたらよいでしょう?
A. 三者面談の準備、がんばってください。お子さんが「敬語を勉強して」とおっしゃったんですね。三者面談で使う敬語は、主に「はじめと最後のあいさつ」です。途中の話は「です、ます」の丁寧体が使えれば十分だと思います。一番大事な事は、話す内容を事前に考えて、聞きたい事は、作文しておくことです。それから、先生の話を理解するために、必要な単語を整理して覚えることです。三者面談での主な話題は、@子どもの学校や家での様子 A成績 B進路 です。特に二年生となるとABが中心です。
Bについては、次のような会話例を見てください。

先生: 進路のことだけど、A君はどこの高校に行きたいの。
A : まだ、決めてません。
母 : 都立高に入れればいいなあと思います。先生、Aは入れるでしょうか。
先生 : そうですね。○○高校だったら、帰国者の子弟のための特別入試制度がありますから、がんばれば受かると思います。
母 : そうですか。受かるといいんですけど・・・。家でも「もっと勉強がんばりなさい」って言ってるんです。
先生 : そうですか。A君、学校でも真面目にやってますよ。
母 : 先生、Aの成績はいかがでしょうか。
先生 : んー、数学は本人も好きなようで、最近がんばっています。でも国語とか社会とかは、もっとがんばらないとダメですね。そうだね。A君。
A : はい。僕は国語とか社会が苦手です。教科書を読んでいると、わからない日本語が沢山あります。
先生 : そういう時は、担当の先生に質問すればいいんだよ。
A : でも、恥ずかしいので、なかなかできません。
母 : 恥ずかしいなんて考えたらダメよ、積極的に質問して、教えていただきなさい。
A : んー。
先生 : 授業中が嫌なら、放課後でもいいよ。それから家で予習復習することも大事だよ。
A : はい。わかりました。
母 : ありがとうございます。先生、今後ともよろしくお願いいたします。

こんな風に話が続きます。なお、最初のあいさつ場面では、
母 : はじめまして、Aの母です。いつも息子がお世話になっております。
先生 : 田中です。どうぞ、おかけください。
母 : はい、失礼します。
といった感じです。

高等学校への進学
日本の進学率は非常に高く、中学校卒業者の約96%が高等学校へ進学します。
 高等学校は義務教育ではなく、希望者が試験等による選抜で入学し、3年間(定時制、通信教育は4年間)学びます。高等学校入学には、中学校卒業の資格又は中国における9年の課程の修了(証明書が必要)が条件であることを説明することが必要です。
 義務教育以外の進学は、生活保護法による教育扶助はありません。日本育英会、地方公共団体、(財)中国残留孤児援護基金などの奨学金の制度や働きながら学ぶ定時制高校もあることを勧め、手続きの介助をして下さい。
 また、進学および奨学金のことなどについては、中学校の担任の先生とよく相談するように、中学校を経ないで高校入学を考える人は、都道府県の教育委員会に相談するよう説明して下さい。
 都道府県の中では、高校入試に際し、帰国子女や中国からの帰国者に対して特別の措置を設けているところもあります。

(厚生労働省 「中国帰国者とその家族のための帰国者受入れの手引
平成14年1月 中国孤児等対策室」 より)

大学、専修学校への進学
大学、短期大学は、高等学校卒業の資格で試験による選抜で入学します。日本の高校を卒業せずに大学へ進む場合は、中国で12年間就学していたことの証明書か、あるいは9年の課程を修了していれば高校卒業程度の学力試験(大学入試資格検定)で証明することが必要です。(中国では飛び級制度があり、必ずしも12年間通学していない場合があるので注意して下さい。)
 なお、自立研修センターでは、「大学進学準備課程」 の講義を実施しているところもあります。
 また、大学によっては、中国の帰国者に対して特別の制度を設けているところもあります。
 いずれにしても、大学、短期大学へ試験を経て入学できる者は、かなり日本語にも習熟し、日本社会への適応もある程度まで果たした人であるといえます。また、経済的な面については、日本育英会、民間団体、地方公共団体などの各種の奨学金制度がありますし、大学や(財)内外学生センターなどでは、アルバイトのあっせん事業も実施しています。
 しかし、生活保護世帯の大学進学は原則認められません。

 専修学校は、職業や実際生活に必要ないろいろな技術を学ぶ学校で、入学資格は、中学卒業程度(高等課程)、高校卒業程度(専門課程)などがあります。期間も1年から3年程度までいろいろあります。
 子女から要望のある進路について、身元引受人及び自立指導員は学校の担任教師とともに相談にのってあげましょう。
 高等学校に比べ、入学金が高いところが多いのですが、(財)中国残留孤児援護基金では、専修学校生のための奨学金制度も設けています。
(詳細は下記へお問い合わせください。 )

(財) 中国残留孤児援護基金
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-5-8 オフィス虎ノ門ビル
TEL : 03-3501-1050
 
[ 参考 中国の教育事情 ]

 小学校の就学率は、1998年98.9%に達し、初級中学への進学率も87.3%になった。小学校から初級中学に進学する際の入学試験は廃止の方向にあり、学区の指定された中学へ入学するよう改められつつある。
 初級中学(日本の中学に相当)から高級中学(日本の高校に相当)への進学率は約51%である。高校レベルの中等教育は、これまで普通教育課程が圧倒的に多かったが、職業教育課程と半々になるまで改革された。高校レベルの職業教育機関の在学生数は、在学生総数の50%を超えている。
 全日制大学・高専の数は1,022校、在学生数は340万人で、それは同一年齢層の約9%に当る。大学院生の数は19万9,000人である。
 勤労者対象の成人教育も発展し、98年現在、成人高等教育機関の在学生は282万人、中等教育期間のそれは6,712万人、初等教育期間は538万人に達している。

(厚生労働省 「中国帰国者とその家族のための帰国者受入れの手引
平成14年1月 中国孤児等対策室」 より)


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