帰国者1世が高齢化するなか、介護の必要性が高まっています。また、2,3世からは現在介護職に就いているがスキルアップしたい。介護の仕事に就くにはどうしたらいいのか。という声も聞かれるようになりました。そこで今回は、帰国者を対象に訪問介護員を派遣している訪問介護ステーション「寿星」(東京都中野区)の田中霞さん(2世配偶者)と高玉梅さん(2世)にお話をしていただきました。
日本人の介護従事者とうまく意思の疎通ができず困っていた帰国者が、寿星の訪問介護を利用するようになって中国語で話せることから、明るく元気になったというケースの紹介がありました。また、利用者から頼られたり感謝されたりすることが、働く原動力になっているという話から、お二人の介護職への熱い思いが伝わってきました。当日は、2,3世13名1世10名の参加がありましたが、ほとんどが「寿星」の名前は聞いたことはあるが、何をしている所か知らなかったとのことでした。今後は中国語の通じる訪問介護員のいる「寿星」を広く帰国者に知ってもらうことも必要かと思いました。
中さんからは、ケアマネージャなどの日本人の介護関係者に残留邦人のことを理解してもらうのが困難であるというお話もありました。介護職に就く2、3世には、高齢帰国者の経歴や生活背景を、日本人関係者に伝えていく役割も期待したいと思います。 |