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中国大使館後援による中国映画DVD鑑賞会

一口に高齢化といっても帰国者1世の姿は一様ではない。
日本語学習などの活動場所に定期的に現れる人もいれば、家庭に閉じこもりがちな帰国者もいる。
全体的にみれば後者が圧倒的に多いのは言うまでもない。
適度な外出機会を設けず閉じこもらざるを得ない状況が長期間に及び、心身が衰え、ますます外出が難しくなる、そんな悪循環が想像できる。
帰国者が気楽に足を運び仲間と集える場をつくろう。

そこでは中国語や中国文化が大切にされ、安心して仲間と過ごせる時間がある。「中国映画鑑賞会プラン」はそんな発想から出発した。

 今回センターでは中国大使館文化部の全面的な協力を得ることができた。最近の話題作から過去の名作まで、中国大使館が海外での中国文化紹介を目的に独自に製作した特定DVDがセンターでの活用に限って貸し出し許可されたのだ。

10月に「センターをまだ利用したことのないあなたへ」の呼びかけで募集したところ40名の枠に倍以上の応募があった。 顔ぶれを見るとセンターに来たことのない人だけでなく、頻繁に利用している人も多い。
DVD鑑賞会は閉じこもっていない方にも好評なのだ。
やむなく閉じこもりがちなグループとバリバリ利用グループに分けて毎月2回実施することにした。

初回は「心の湯」、移ろい行く北京の姿と庶民の暮らしぶりを銭湯の親子の目を通して描いた作品だ。作品を見ながら帰国者はいまの中国を生きる家族や友人達との連体感を味わっているように見えた。

また意外にもアンケートでは最新作だけでなく、20代30代の時に見た名作への要望も高かった。年齢とともに中国で過ごした青春期、壮年期への郷愁が深まるのだろう。

帰国者1世たちが晩年を迎えた今、母なる中国へ抱く想いを大切にするとともに今後ゲストとして中国語を学ぶ支援者、帰国者支援に関心のある中国留学生なども招待し、映画鑑賞と感想会を通じて心の交流を広げていければと願う。


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