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「交通安全講座」(報告)

昨今、高齢者が関係した交通事故が増加していると聞く。また、改正道路交通法では、自転車に関する規則が大きく変わった。首都圏センターは、6月19日、台東一丁目区民館にて、上野警察署交通課の職員を講師に迎え、交通安全講座を開催した。帰国者63名が参加した。



★危険を知って事故を未然に防止する

講座では、基本的な交通ルールの他、歩行中や自転車での走行中、どのような場面にどのような危険が潜んでいるのか、ビデオや図を使って学んだ。事故の再現映像を見ながら、思わず「あー、危ない!」と声が上がる。

特に、注意が必要なケースとして「通過車両の直後を横断する歩行者」というものがあった。片側1車線の道路を横断するとき、右から来る車が通過するのを待ち、後方の車に注意しながら安心して渡りはじめたところに、反対車線を左側から車が来て跳ねられそうになる。横断前は、しっかり左右の安全を確かめることで事故を未然に防げるという例である。

また、自転車に乗っているときの危険なケースとしては「斜め横断する自転車」があった。車道の左側を走行中、後方を確認しないまま道路を斜めに横断しようとしたところ、後ろを走っていた車と衝突するというものだ。車の運転者にとって予想がつかないため、事故が起こりえない場所でも発生していると言う。


危険な事例を図解


★基本的な交通ルールを知ることの大切さ

最後に交通ルールに関して日頃から疑問に感じていたこと等、多くの質問が出され、活発な質疑応答がなされた。「自分は交通ルールを守っていても、守らない人がいるので事故が発生するのではないか。どうすればいいのか」という訴えに、講師は「一人ひとりが交通ルールを学んで守るという意識を持つことが大切である」と励ました。

講座後に行ったアンケートでは、「ビデオや図を使った説明が大変わかりやすかった」「自転車も車と同じ車両であり道路交通法を守らなければならないことを初めて知った」「もう高齢なので今後自転車に乗ることはやめようと思う」等の感想があった。具体的な事例を見聞きしたことで、交通事故が身近なところで起こりうることとして受け止められ、自転車に乗る時の意識等に何らかの変化があったように窺われた。(MY)



自転車保険の必要性について考える

帰国者の高齢化が進む中、判断力や身体機能の衰え等から交通事故に遭遇する場合が出てきているようである。歩行中や自転車に乗っているとき、危険を感じたことがある人も少なくないのではないだろうか。自転車は気軽に乗れる乗り物であることから、日常生活の中での移動手段の1つとして、帰国者の皆さんも使用する機会は少なくないと思われる。

これらのことからすると、自転車事故の被害者にも加害者にもなる可能性がある。講師によれば自転車事故の裁判で、賠償金が9千万円〜1億円にのぼった事例があるとのこと、「たかが自転車事故」ではすまされない。日常生活における危機管理という視点から、自転車保険の情報提供も必要ではないだろうか。



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