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入谷南公園盆踊り・朝顔市見学 [2005年7月7日]

地域ボランティアに支えられ

 「盆踊り講座やってもらえませんか。」今回の盆通り大会参加はセンターに通う通学生(帰国者1世)のそんな一言からスタートしました。
さっそく台東ボランティアセンターに講師紹介を依頼したところ、紹介された「下町盆通り保存会」のN氏の口から「練習したら、地域の盆踊り大会に参加してもらいましょう。」との言葉が飛び出しました。
地元の行事に通じたN氏は台東区内全域の盆踊り会場の中から入谷南公園を選んでくれました。大会当日は近くで日本一と名高い朝顔市が開かれています。

  しかし、懸念材料もありました。他区からセンターに通う帰国者の場合、センターまでの往復に近い人でも1時間半かかってしまうのです。
夕刻センターに集合後、更に会場まで交通機関を利用することは、60代の1世世代にとって体力的にきついと思われました。
そんな思いがよぎった時、ボランティアセンターのコーディネーターの方から「送迎ボランティア」の存在を知らされました。
通常介護支援等の現場で福祉ボランティアとして活躍する人々が、今回帰国者のために協力してくださるというのです。
あっという間に支援の輪がつながっていきました。

  7月2日、センターの盆踊り練習会では、3名のボランティア講師と13名の帰国者が狭い会場の中でにぎやかな円を描きました。



ボランティア講師の踊りにうっとり



見よう見まねの真剣練習



帰国者は中国の民舞「秧歌」を披露
 

 「東京音頭」に続く「炭坑節」では踊りと相まって、「掘って掘って また掘って。担いで担いで 後戻り」の日本語が響きました。

 そしていよいよ7日本番。台東ボランティアセンターの車で会場まで2往復、到着後は帰国者21名に、盆踊り保存会数名、送迎ボランティア2名、通訳ボランティアの3名とセンタースタッフ総勢35名が顔を揃えました。
夕闇に包まれた中、ボランティアに誘導され、朝顔市のにぎわいに吸い込まれて行きます。
3日で60万人を動員するという祭りは帰国者の目にどのように映ったのでしょうか。
あちこちで立ち止まっての記念撮影もようやく終え盆踊り会場へ引き返します。

 会場で支援者が確保してくれた記念のうちわを受け取ると、誰もが躊躇することなく踊りの輪に飛び込んでいきます。数十分は本当にあっという間でした。8時過ぎに送迎車に乗り込むとまもなく、帰国者からはさまざまな感想が飛び出しました。
「日本の祭りをはじめて見た」「楽しかった。また来年も来たい」の声に混じって、ある残留孤児の語った言葉が印象的でした。
「普段は近所の人から中国人だって冷たい目で見られてる。
でも、今日は違った。みんなといっしょになって踊れたから。」 祭囃子の陽気なリズムに乗って身振り手振り、言葉や文化の垣根を越えて味わう一体感が、帰国者に予想以上の開放感と喜びをもたらしたようです。

この後、何人の人が自力で「わが町」の盆踊りに飛び込んでいくでしょうか。
地域の連帯感を確認しあう盆踊りは、中国帰国者にとって一時の地域参加を実感できる貴重な機会だと感じました。




送迎車から降り立った帰国者と支援者

入谷朝顔市見学

入谷南公園盆踊り会場 支援者とともに



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