センターの太極拳講座は当初の予想を越える効果を生み出しています。講座で太極拳に出合った帰国者が、講座だけに満足せず、地元で帰国者の自主的グループを立ち上げる動きです。センターが確認しているだけで江戸川区と板橋区で帰国者が集い、雨天を除いて毎日のように早朝練習に励んでいます。江戸川区では一般市民も輪に入るようになりました。また個人レベルでも墨田区の公園で2,3名の当センター講座生が20名近い一般区民の太極拳グループに溶け込んで練習を続けています。健康志向の側面もありますが、何より太極拳という母文化(中国文化)への誇りが、自信や自主性を引き出し、閉じこもりがちだった日常生活に大きな変容をもたらしているということ。太極拳を通じて帰国者同士のつながり、さらには地域社会とつながりができた喜び。このことは目下の高齢帰国者支援の理念として謳われる「社会的自立(地域社会で自律的に生きる)」ことの一つのヒントとなるのではないでしょうか。 |